いわば梅の木のレア種「余田臥龍梅」
今回は山口県にある国指定の天然記念物の梅の木をご紹介してみたいと思います。
梅の花は早い所では2月初旬から各地で楽しめますが、ここの臥龍梅はそこいらの梅とはちょっと違う、いわるゆるレア種なんです。
この梅は、室町時代のものと伝えられており、かつてもっと樹勢があったころ、四方に張る枝の様子がまるで龍の臥す姿に似ていることから「臥龍梅」と呼ばれるようになったそうです。
駐車スペースに車を置くとそこから斜面に沿って素敵な梅林が続いています。辺りにはさわやかな梅の香りが漂っていました。
しばらく階段を登っていきますと、臥龍梅の案内が見えてきます。
こちらが臥龍梅です。天然記念物に指定時は、もっと幹も太く四方に枝が出ていたといいますがこれらは残念ながら枯死してしまったそうです。
今残っている臥龍梅は四方に分かれた枝が地面につくことで、「飛梅」と呼ばれる新しい株となったもので、現在は11本の飛梅の木が毎年花を咲かせています。
梅の木って普通苗から育つと思われるでしょうが、枝が地面について株が増えるなんてなかなか珍しいと思いませんか?
臥龍梅のある所から、左回りにぐるっと回って戻ってこれます。上から見下ろすとさながら梅林のような光景を見ることができます。
そしてよくよく木々の枝を見ていると・・・
そう、メジロが花の蜜を求めてやってきています。
メジロは河津桜に集まってくるのをよく見ますが、梅の木も好物なんですね。
まだまだ寒い日もありますが、日によってはだんだんと春の日和を感じられるようになってきます。
ぜひ貴重な国天然記念物「余田臥龍梅」を見におでかけしてみてくださいね。
余田臥龍梅の見ごろ時期と場所について
撮影時期は2月中旬頃となります。年によって満開時期は変わりますが、見頃はだいたいこの時期と思われます。
場所はこちらです。
余田臥龍梅 | 山口県柳井市余田河添 |
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周辺道路は入り組んでいるうえ、道路も狭いので、お気をつけてお越しくださいね。
ついでにこちらの見学もいかがですか?山口県の河津桜の名所
なお、時期的には余田臥龍梅から車で40分ほどのところにある「上関城山歴史公園」の河津桜もちょうど見ごろとなりますので、こちらの見学もオススメです。
河津桜は2月から楽しめる早咲きの桜で、濃いピンク色が一足早い春を感じさせてくれますよ!
国指定天然記念物
余田臥龍梅
昭和八年四月十三日指定 所在地 柳井市余田二四五0番地
紅がく、白花一重小輪の野梅性の老樹であるこの臥龍梅は、室町時代のものと伝えられています。指定時は、根元の 周囲約五・五mで、ここより四本の支幹 を出していましたが、これらは老いて枯 死しました。現在の独立している株は、 以前、四方に伸びていた枝が地面につい た部分から生じた新株で「飛梅」と呼ばれ、現在十数本が、毎年みごとな花を咲かせています。
全国でも大変珍しい姿のこの梅は、往時技の張る様が、 まるで龍の臥す姿に似ていることから臥龍梅と呼ばれ 親しま れていました。かって、この地は梅林と呼ばれるほどでありましたが、明治維新前、畑地にす るため、中央の老樹一本だけを残して、 他はいずれも伐採されました。
山口県教育委員会 柳井市教育委員会